今週はコミュニケーションの基礎を踏まえつつ、もうすこし細かい技術について触れていきます。
先週から本格的にはじめたメールのやり取り、順調に進んでいるでしょうか。思ったようにうまく行かなかったり、もし相手と連絡が取れなくなってしまったことがあったとしても、気にしないでください。
これは、練習なのです。
どんどん練習してその技術を上げていきましょう。
さて、今回はそのメールのやり取りのなかでも使える技術の勉強です。
☆好意の表現はデジタルに。1か0。オンか、オフ。
くだいて言ってしまえば、好意の表現にはメリハリをつける、ということです。
あなたは先週からのメールのやり取りのなかで、相手に対してどのようなスタンスでメールを書いているでしょう。友達としての興味を示しているのか、合コン企画相手として興味を示しているのか、それとも恋人候補として興味を示しているのか。
出会ったばかりの人とメールのやりとりをはじめるときは、そのどれでもない柔らかい印象で文章を書いているかもしれませんね。またそうだとしても、そのやり方は決して間違ってはいません。
ただ、その初期のメールのやり取りをいつまでもつづけることはありません。
お互いに挨拶を交わすようなやりとりを終えた後は、相手に対するスタンスを、相手にわかるように提示していきましょう。
これはメールのやり取りだけではありません。
電話やデートにおいても同じことが言えます。
前にも述べたように、好意を相手に示すことは(たとえそれが演出であったとしても)あなたの恋愛リスクにはなりません。むしろ、どうやって意識的に好意を伝えていくかが、モテるモテないの分かれ道となってきます。
それを踏まえて、たとえメールのやりとりであっても「あなたが好き!」という気持ちを匂わせる甘い文章か、「言っとくけど友達だからね」と思わせるドライな文章かを明確にしましょう。例えば、
・声がすてき
・頭がいい
といった相手への褒め言葉はもちろん、
・恋人っているの?
・なんとなく会いたいと思って
・声がききたくなって
と言った好意を明らかに示すような言葉まで、積極的に使って構いません。「好き」という告白そのものについてはまた別の項で説明しますが、この「好き」という言葉でさえも相手に伝えて構わないのです(もちろん本心からの告白とは異なりますが)。
ですが、好意をつよく示すだけでなく、一方で「私たち友達よね」というメッセージもきちんと織り込んでいきます。相手が自分の好意を認識しているときに、このメッセージを放り投げるとより効果的を発揮します。
いずれにせよ、「好き」とも「友達」ともとれる中途半端な表現は避けるようにしてください。
相手が恋愛状態に陥るまでは、曖昧な表現は基本的に不必要です。
なんとでもとれる曖昧な表現は、相手になんの印象も残さず、思考グラフに名前を書き込めるチャンスがあったとしてもみすみす逃してしまうことになります。
きちんと相手が恋愛状態に陥るまでは1か0、スイッチオン、オフ、がはっきりしているほうが効率的なのです。
相手の態度が掴みきれず、
「この人は私のこと好きなの? 好きじゃないの?」
と悩んだことはないでしょうか。もしこのデジタル表現が功を奏したとき、相手の異性に対してあなたは同じような効果を与えることができます。
いうまでもなく、その悩んでいる時間は相手はあなたのことを考えていますし、その瞬間にあなたの名前は相手の頭のなかに書き込まれているのです。
今週ひとつ目の課題です。
・連絡を取っている三人に、恋人はいるのかどうかきいてみる。
もし恋人がいないことをすでに教えられていたり、その事実が明白だったりしても、あえてもう一度きいてみましょう。
「なんで?」
と相手は不思議がるかもしれません。その場合は
「ちょっと、心配だったから」
と好意表現を上乗せします。その後はなにを聞かれても「なんでもない」で通しましょう。
このパターンだけでなく、自分でもなん通りか考えて実践してみてください。自然な好意表現が身についてくると、そのリアクションによっていま自分が相手の思考のどれくらいを占領しているかが肌でわかってきます。そこまで至るには地道な訓練が必要となりますが、まずは意識的に好意表現をしてみることで、その仕草を自然な自分のものにしていけるようにしましょう。
デジタルな好意の表現は、もちろんメールでも積極に行っていきましょう。
好意を表現するときはハッキリとする、冷静な受け答えをするときは冷たいほど冷静に書く、そのようなデジタルな表現を身につけましょう。
もちろんコミュニケーションの基本でも述べたように、最後にボールを持っているのはあなたです。メールでのやり取りは、相手がメールを送った状態で終わらせるようにします。メールをやり取りしている最中は好意を表現していても、そのキャッチボールがぷつりと切れる。これもいわばデジタルなコミュニケーションのひとつと言えるでしょう。
しかしその表現も慣れていないと、どのようにしていけばいいのか分かりませんね。とくにメールは文章ですので、視覚的、論理的に相手に伝わります。「彼女がなにを考えているのか分からない」と不安に思われることはチャンスですが、「彼女はなにを言っているのか分からない」となってしまうのは困ります。
そこで今回はメールを書くときのために、簡単なルールを設定してみたいと思います。
現代の携帯メールは写真も添付できれば、かわいらしく動く絵文字も書き入れられます。世間でやり取りされている、とくに女性が書くメールのほとんどには、なにかしらの絵文字が入っているでしょう。
実際に絵文字がメールの文章全体に与えるイメージはすくなくありません。カラフルな絵文字はメールを華やかに彩りますし、読んでいる人にひとつ息をつくタイミングを与えてあげられます。
一方で、絵文字が入っていないと、携帯で読むメールとしてはどことなくそっけなく、落ちついた印象を与えることになります。書いている人のテンションはなかなか伝わってきませんし、読む人によっては冷たいと感じる人もいるでしょう。
同じ夜の挨拶でも、
「おやすみ。」と
「おやすみ♪」
では印象もずいぶん違います。
そこでまずはこの「絵文字アリ」と「絵文字ナシ」をうまく使いわけることで、デジタルな好意の表現のオン・オフの感覚を身につけていきましょう。
数通に一回だけでも「絵文字ナシ」のメールを打つことで、自分のなかでもデジタル表現のスイッチを確認できます。「このメールはクッキリと好意を表現しよう」とか「今回は友達としてクールにうけながすメールにしよう」とか、そのような気持ちを自分でしっかり感じながら、メールを打つのです。
もちろん打ち慣れていないのは「絵文字ナシ」の文章だと思います。この「絵文字ナシ」のメールを打つときはとくに時間をかけてもいいかもしれません。慣れてくると「絵文字ナシ」でも、好意がくっきりと伝わるようなメールが書けるようになれます。同じ好意でも、
「好き★」と
「すき。」
の2つでは印象も違いますよね。絵文字のアリ・ナシの練習になれてきたら、このような絵文字のないメールでの好意の表現も練習もしてみてください。
また写真や映像を貼りつけたメールも使い方によってはとても効果のあるメールを作ることができます。
メールを受けとった人が「この写真は自分のことを考えながら撮ってくれた」とわかるような写真はそれだけで好意の表現となります。場合によってはたった一枚だけの写真で成立してしまうメールもあるでしょう。
ただ写真やビデオとなるとデータをやり取りする量も増えますし、以前触れたコストの問題も関わります。あくまで通信コストは最優先して節約する場所でもあるので、写真や映像メールはほどほどが良いでしょう(それくらいの意識でいたほうが、過剰なコミュニケーションを予防できて安全です)。
今週覚えるのはメールや電話の技術だけではありません。
デートの最中に自分が相手の思考グラフに名前を書き込む技術も覚えておきましょう。行為の表現を一気にまとめて覚えてしまうのは、すでにあなたがそれを実践する段階に入っているからです。
恋愛の仕組みを理解し、容姿を磨き、異性に対して練習を重ねているのであれば、このような練習の意図もしっかりと理解していただけていると思います。失敗を恐れず、これは練習だと割り切って、経験値を積むために練習をくり返してください。
さてこれまでになんどもなんども、好意を表現することの重要性を説明してきたと思います。それがたとえ本心でないにせよ、自分にどのようなことができるのかその可能性を広げるために、またほんとうに必要なときにきちんと相手のグラフにあなたの名前を書き込めるように、怖じ気づく気持ちを奮い立たせて練習に向かってください。
今回は練習項目から説明します。
・デートの最中に相手と腕があたる距離で歩いてください。
・しばらく歩いた後に、自分から相手の腕に手を置いてください(腕を組んで歩くまでは、接触しなくても大丈夫です)。
・そのまましばらく歩いた後に、自分から、その手を離してください。
この練習のポイントは、いままでの講義を理解している方はおわかりになると思います。
これは自分から表現して、自分から表現を終えることに要点があります。いままでの練習の応用といったところです。
あくまでフィジカルなコミュニケーションも自分から閉じるようにします。
自分から行動して、自分から閉じる。
それはデジタルに好意を表現することの延長でもあります。
はじめてのデートなら、腕をとるといったフィジカルコミュニケーションは一度で抑えたほうがいいでしょう。もし相手があなたに興味があるのなら、もっとそのコミュニケーションをつづけたいと思うはずです。そこに余白が埋まれ、相手の思考グラフにあなたの名前を書き込む場所ができるのです。
しかもデートの場合、あなたにまったく興味のない人はそもそも二人で会おうとはしません。とすると、ただ相手とフィジカルコミュニケーションをとるだけで、名前を書き込めるチャンスができるかもしれないのです。
もし相手が嫌がったり、迷惑がったりしたとするなら、それこそ相手は非常識な人といえます。ただ腕に触れて歩くだけなのです。それさえ迷惑がるような人を相手にしたデートにノコノコやってくるような人は、常識的な恋愛ルールの外に自分の基準を置いている人でしょう。そのような人を今後もつなぎ止めておく必要をあなたは感じるでしょうか。
もしそれでもその人との関係を絶ちたくない、と思った場合は、なおさら今は距離をとったほうがよいでしょう。そのような兆しこそ、恋愛リスクの警報です。すくなくともこの講義を終えるまでに、特定の個人に対して恋愛状態に陥ることは避けましょう。
また、もし先に相手からあなたの腕をとってきたり、手を握ってきたりした場合はどうでしょう。その場合も、やはり基本に忠実に自分からそのコミュニケーションを閉じるようにしましょう。
相手から腕をとられる。
相手から手を握られる。
しばらくはそのようにして隣にいても構いませんが、頃合いを見計らってきちんと自分から接触を終わらせましょう。主導権を握るのはあなたです。
このフィジカルコミュニケーションの技術も、メールや電話と同様に毎回徹底して行う必要はありません。ただしメリハリをつけて、デジタルに行うことを心がけてください。曖昧にやってみても相手に印象づけることはありません。あくまでハッキリと、わかりやすいくらいでちょうど良いのです。
恋人でもない人の腕に触れる。
そのことに心理的な葛藤がある人もいるかと思います。しかしくり返しますが、あくまでこれは練習です。慣れること、それが大事なのです。
想像力を働かせてみてください。
もし逆に腕をとられるのがあなたなら緊張してしまいますか?
会って間もない異性に、ふとした瞬間に、恋人のように腕をとられるのです。
あるいは「この人、私に気があるんじゃないか」と誤解してしまいますか?
その誤解は間違っていません。
これは、そのために行うのです。