一ヶ月目の第二週に、異性に声をかける課題が出ました。
またこの課題は、その後もひきつづき練習しつづける項目であることも説明したとおりです。あれからすでに何人の連絡先をきくことができたでしょうか。それとも、あれ以降まだ誰の連絡先もきいていないということはあるでしょうか。もしまだ異性に声をかけづらい、と思っている方はとくに今回の項目をよく読んでください。
今回は、以前説明した「恋愛リスク」についてもうすこし考えてみたいと思います。
この恋愛リスクを頭で理解しているか、体で理解しているかの違いは、恋愛の結果にたいへん大きな影響を与えることになります。
そもそも恋愛リスクとはなんなのか。
それはひと言でいうと次のようになります。
☆ 恋愛リスクとは、自分の思考グラフが、相手に占領されてしまう危険性のことをいう。
自分の思考グラフが誰かの名前で占領されてしまうということは、あなたが誰かに対して恋愛状態に陥るということです。
自分が恋愛をすることがなぜ危険なの?
そう不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。その疑問ももっともです。この講座を読みはじめたかたのほとんど全員は、上手に恋愛するために読みはじめたのですから。
しかし、すくなくとも三か月は自分自身が恋愛状態に陥らないように気をつけてください。たとえどれだけ魅力的な男性が現れても、まっさかさまに落ちてしまうような恋愛の仕方だけはできるだけ避けるようにしてください。
なぜ自分が恋愛状態に陥るのが危険なのか。
それは、t相手の頭の思考グラフに名前を書き込むペンを失ってしまう可能性があるからです。
誰しも激しい恋愛をしている最中に、冷静さを失ってしまったことはあるでしょう。
これ以上ないほどつよく相手のことを思っているのに、もがけばもがくほど、相手の気持ちが冷めていってしまったり、相手が自分から離れていってしまう経験をしたかたも多くいると思います。
「相手の気持ちが離れてしまう」
そう思えば思うほど、相手の気持ちを取りもどそうとする想いはよけいに増していく一方です。しかしそのような場合、あなたが一歩相手に近づけば、相手は五歩も十歩もあなたから遠ざかってしまいます。
それはあなたが相手を追いつづけている最中に、相手の思考グラフからあなたの名前がどんどん消されていってしまっているからです。
本当はすこしずつ相手の頭のなかにあなたの名前を書き込まなければならないのに、冷静さを失ってしまったばかりに、書き込むための大事なペンを無くしてしまっていたからです。誰かに思考グラフを占領されているときに、人の思考グラフに効果的に名前を書き込むことができるのは、ほんの一握りの恋愛の天才だけです。
恋愛の技術を身につけていない人が、激しい恋愛状態に陥ると、恋愛そのものをコントロールできることはまずありません。冷静さを保っていられたならうまくコントロールして良い状態に身を置けたのに、冷静さを失ってしまったばかりに、いままですこしずつ書き加えてきたあなたの名前が相手の思考グラフから消えてしまうのです。
自分が恋愛状態に陥ることを危険と呼ぶのは、ここに理由があります。
すくなくとも、恋愛の知識や技術が未熟な人だと、いちど悪化しはじめた思考グラフの変動をくいとめることは困難です。この講座中は恋愛技術の向上を最優先させてください。
恋愛リスク、と聞くと「恋愛を失ってしまう」リスクに聞こえるかもしれませんが、この講座でいうところの恋愛リスクとは「恋愛をしてしまう」リスクのことなのです。
また時として、この2つは同じ結果を示すこともあります。
相手に激しく恋してしまったから、相手が離れていってしまう。
そのような悲しい結果を生まないためにも、恋愛の技術は磨かなくてはなりません。
さて、先月説明した恋愛リスクについての2つのポイント、あなたはきちんと思いだせるでしょうか?
☆まだなにも築かれていない関係において、リスクは存在しない。
☆好意を持っていることを相手に知られることは、リスクではない。
この2つがモテるための恋愛の戦略において最重要ポイントであることはすでに述べたと思います。恋愛リスクが「相手に恋愛してしまう危険」だと考えると、それぞれ納得がいくのではないでしょうか。
恋愛リスクについて大事な2つのポイントのうち、とくに2つ目のポイントはこの講座の軸をなすような大切な考え方です。
なぜなら、好意を知られることは、リスクとならないだけでなく、相手の思考グラフに名前を書き込むことができるからです。
以前にも例を出しましたね。
たとえばあなたが友人の開いたBBQで青山さんという男性と出会ったとします。
そこで青山さんからあなたは連絡先をきかれ、あなたは彼に自分の携帯メールのアドレスを渡しました。
ですが青山さんから連絡が来る前に、BBQの幹事から連絡があります。BBQが楽しかったので、またみんなでボーリングをしようということになり、今度はもうすこし少人数で集まることになりました。その後に青山さんからメールがあり、ボーリングで会えることを楽しみにしていると伝えてくれます。
ボーリングでは2チームに分かれて対抗戦をすることになり、はじめ青山さんとあなたは別のチームになってしまいます。話す機会はほとんどありませんが、青山さんとはなんども視線が合います。そのたびに彼は恥ずかしそうに笑顔を見せます。次の試合でもチームはそのままで、あなたが話す相手は同じチームの人ばかりです。勝敗は一勝一敗で、結局最後にもう1試合やることになりました。幹事がチーム替えを提案し、そこでチームがふたたび振り分けられます。
そしてあなたはようやく青山さんと同じチームになります。
と、ここまでで、あなたは青山さんに対してなんのアプローチもしていません。ですが青山さんがあなたに好感をもっているのはじゅうぶんに伝わってきたとします。もちろん言葉ではなにも伝えられていません。しかしあなたは青山さんに対して、BBQで出会ったときと変わらないままの印象しか抱かないでしょうか? 生理的に受けつけない、という場合は別ですが、青山さんに対して悪印象をもつことはほとんどなく、むしろ彼について多少なりとも興味を抱くのではないのでしょうか?
場合によっては警戒するかもしれませんし、もちろん嬉しく思うかも知れません。いずれにせよ、あなたの思考グラフには、ただBBQで出会っただけの人たちと比べて青山さんの名前はくっきりと書き記されることになります。
「いったい、どんな人なのだろう」
相手に好意を知られることは、ほとんどの場合、相手の思考グラフに直接あなたの名前を書き込めるチャンスとなります。
もっといえば「好き」という告白でさえも、それは強力なチャンスです。
好意の告白は、それで決着がつく最終決戦、と誤解されがちですが、実は単なる恋愛の過程に過ぎません。もっと言ってしまえば、駆け引きの際に非常に使い勝手のよいカードなのです。
告白については後でもうすこし詳しく説明しますが、相手に直接的なアプローチで好意を伝えることは、あなたにとってはほとんど失うもののないまま、相手の頭に名前を書き込める大チャンスであることを覚えておいてください。
あなたが先月から練習している連絡先を訊くことも、多少なりとも相手への好意を知らせています。そのことで相手の思考グラフに、たとえわずかなスペースだったとしても、あなたは名前を書き込んでいたのです。
もちろんあなたは、連絡先をきいた相手にとくべつな好意はなにひとつ持っていません(タイプではない人に連絡先をきくのが課題だったのですから)。しかし相手は、あなたが自分に対して全くの無関心である、とは思っていないでしょう。
……と、ここまで説明するともう理解された方もいるかと思います。
好意を知られることで、相手の思考グラフに名前を書き込める。
しかし、あなたがほんとうに好意を持っているのかどうかは、別の問題。
別の言い方をすれば、モテていくうえで人に好意を誤解されることは有効な手段であるということです。
小悪魔と呼ばれているモテている女性たちは、ほとんど例外なくこの技術に長けています。意識的に、無意識的に、相手を誤解させることが上手なのです。確信的な言葉を避けて上手に誤解させることができますし、ときには確信的な言葉で告白しておきつつ、選択を迫られるような決着を避ける方法を知っています。
本心でもないのに、誤解されることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。
しかし、実際に恋愛というのがどのようなルールに基づいて進行されていくのかをきちんと理解しなければ、いつまでたってもそのゲームに勝つことはできません。意識的に、誰かを恋愛状態に導いていく経験は、恋愛のルールを覚えていくのにこれ以上ない勉強です。いちどルールを理解してしまえば、逆にあなたが知らないうちに負かされていることも極端に少なくなるでしょう。
きちんと、相手を誤解させる。
これはモテていくうえで避けて通れません。
そしてこの技術は、実際に効果を発揮するのです。
それに相手の思考グラフを占領した後で、あなたが相手に恋に落ちても遅くありません。むしろ必ず成就したい相手であれば、なおさら冷静さを保ってあなたの名前を書き込んでいかなくてはなりません。そのような本番を迎える前に、練習は必要なのです。
では今週の課題です。
・期限は一週間。
・相手はこの一週間ではじめて出会う人。
・すくなくとも1人以上の連絡先を手に入れてください。
と、ここまではいままでとほとんど同じですが、今回は次のことを加えます。
・相手に自分の好意が伝わるように意識する。
この方法はさまざまな種類があります。
相手のことを(きちんと言葉で、そして丁寧に)褒めるのもそのひとつですし、恋人がいるのかどうかきいてみるのもひとつの方法でしょう。視線を数多く合わせたり、視線があったときには照れてしまうのもやり方のひとつです。
いろいろなパターンを考えて、実際にトライしてみてください。
前回は「好意を持っていると勘違いされないように」と意識されていた方もいるかもしれませんが今回はその真逆です。「好意を持っていると勘違いされるように」連絡先をきいてください。実際に声をかけてみると、その違いは肌で感じられると思います。