恋愛マニュアル
1ヶ月目あの人を恋に蹴落とす準備体操
第1週 そもそも恋ってなんですか?まずこれだけ覚えとく。

この講座を読まれているかたは、すくなくとも以前にいちどは恋をしたことがあるかたでしょう。もしくはいま誰かに恋されているかたもいるかも知れません。いまこの瞬間にも、世界中で数え切れないほどの恋が経験されています。

でも、自分が経験した「恋」とはいったいどのようなものなのか、「恋」がどのようなメカニズムで機能しているのか、しっかりと把握して説明できる人はほとんどいません。

上手に「恋」を扱うためにはまずその「恋」というものがどのようなものなのかを知っておく必要があります。自分で恋愛が下手だと感じている人や、なぜかいつも恋愛がスムースに進まない人、いつも相手に主導権を握られてしまい振り回される人は、とくにこの「恋」への理解が不足している場合があります。

そもそも恋とはなんなのか。

まず「恋」とはいったいなんなのかを理解しておきましょう。
恋とは蜃気楼のようなあやふやなものではありません。積み木を積み上げるように着実に姿を現していくものです。これを理解してしまうと、異性の好意を獲得するためになにをすればいいのかがわかるようになります。
それだけでなく、あなたが誰かに恋したとき、どのように対処すればいいのかもちゃんとわかるようになります。

もちろん冒頭に述べたように、恋愛の形は人の数だけあり、その種類は無限にあります。あらゆる恋愛小説を読破し、あらゆる恋愛マニュアルを暗記したとしても、残念ながら恋について完全に理解することはできません。
ただこの講座は「モテる」ことに特化した講座です。
その切り口で必要な理解は、実は単純かつ簡潔です。

この講座ではまず「恋愛の定義」「モテの定義」「戦略の定義」の3つを定義し、STEP2以降の練習はすべてこの理解を前提に進んでいくことになります。

とくべつに難しいことはなにもありません。
自転車の運転と同じで、いちど覚えてしまえば一生モノです。
そしてこの3つの定義は、これからあなたが恋をするたびに、先の見えない闇を照らす心強い灯台となってくれます。
だからこそ、きちんと覚えておきましょう。
これから先、講座ではいろいろな練習を積んでいくことになりますが、一ヶ月後、二ヶ月後にもうじゅうぶんに「恋」について理解したつもりでも、この講座を読み進めているあいだは、たびたびこのSTEP1は読みかえしてください

なにごとも基本がいちばん大事です。
あなたが周囲の恋愛の中心に立つのにまず必要なのは、「恋」への理解です。

何で彼は「恋」に落ちるのか--恋愛の定義。

では、講座をさっそくはじめましょう。
まずは「恋愛の定義」から。これを一行で説明すると、次のようになります。

☆恋愛状態とは、本人の思考が第三者に寡占(かせん)された状態を指す。

ちょっと難しいですね。でもあせらないで。
これを円グラフにして見てみると、途端にわかりやすくなります。
この円グラフは、ある人が一日のうちで考えていることの中身です。

グラフ1

こまかくグラフを描いていけば、きっともっと書き加えられるでしょう。
でもとりあえず「恋愛」を定義するにはこれだけでじゅうぶんです。ざっくりと考え事の種類を分けるとこのようになったと思ってください。

この人は頭のなかで、週末やボーナスの使い道などを中心に考えごとをしています。もっとこまかく見るならボーナスの使い道のなかには旅行が含まれていたり、欲しかったバッグが含まれていたりするでしょう。あるいはボーナス一括払いのローンのせいでほとんど残らずにガッカリしているかもしれませんね。

さて、ではあなたの場合はどうでしょう。
仕事の割合が多かったり、趣味の割合が多かったりするでしょうか。実際に簡単にグラフを描いてみてみましょう。

  • 紙とペンを用意します。
  • いま自分が関心を寄せていることを、すくなくとも8項目以上、リストにしてください。
  • リストの項目はどれだけ多くても構いません。できるだけ具体的な方がいいでしょう。
  • 紙の上に円を描きます。
  • 円を線で区切って、リストの項目を、その関心の大きさに比例させて書き込みましょう。

実際に手を動かしてみることが大事です。自分で自分を研究するつもりでやってみてください。
実際にやってみるとわかりますが、6項目以上を書き出すのはなかなか難しいものです。人は一日に二十四時間、起きている間だけでも十六時間はあるのに、そのうち考えていることはほんのわずかなのでしょうか。
──そうではありません。
自分がなにを考えているのかよく思い出せないのは、人が考えごとをするときは無意識になっている場合があるからです。なかなか正確には描けないのはそのような理由です。

このような頭のなかで考えていることを円グラフにしたものを「思考グラフ」と呼ぶことにします。この思考グラフの項目は、そのままその人がなにに関心を寄せているのかを表すことになります。

さて、そこで次は恋愛状態にある人の思考グラフです。

グラフ2

こちらのグラフでは、その項目がだけほとんどが青山という男性のことで埋められています。この女性は文字通り、一日中青山さんのことで頭がいっぱいです。

もう、おわかりいただけたでしょうか?

この思考グラフのように、自分以外の第三者によって思考のほとんどを占領されてしまっていることを、恋愛状態にあると呼びます。青山さんという名前の項目が増えれば増えるほど、それはより強く恋愛状態にあることを示します。

あなたも学生時代に、寝ても覚めても誰かのことを想っていたことはなかったでしょうか。勉強も部活もなにもかも手につかない、夜はベッドに入っても寝つけない、眠っても夢のなかでさえその人のことを想ってしまう……。
そのような恋心を抱いているとき、あなたの思考グラフの項目は、相手の名前によって埋め尽くされていたことでしょう。他になにも考えられないほど、あなたの関心はその人に向けられていたのです。

このような状態を「恋愛状態にある」と呼びます。

この恋愛状態というのは、なにも好きな相手にだけ起こるものではありません。

たとえば嫌いで嫌いで仕方がない人、憎くて憎くてどうしようもない人がいたとします。
そのような人によって自分の思考グラフが占領されてしまう場合もあるでしょう。くやしくて、恨めしくて、一日中その相手のことを考えつづけているときは、このグラフはその相手の名前だらけになっています。

よく昔から「好きの反対は、嫌いではない」と言われますが、このグラフを使って考えればそれもよくわかります。「好き」と「嫌い」の違いは感情がポジティブかネガティブかだけの違いであって、同じコインの裏と表です。どちらの場合も相手に対して強い関心があるからこそ、強い感情が生まれてくるのです

では、好きの反対はなにか、となると、それは「無関心」になります。
無関心な人やことがらは、このグラフに上がってくることはありません。

また、自分の思考を占領してくる相手が、人だけとは限りません。
場合によってそれはブランドの鞄だったり、雑誌で見つけたアクセサリーだったり、ミシュランで星を取ったフレンチだったりすることもあるでしょう。
あなたが夢中になってそのバッグのことばかりを考えているときは、あなたの頭のなかのグラフはバッグの名前でいっぱいになり、バッグに対して恋愛状態となるのです。そして、その割合が大きくなれば大きくなるほど、よりつよく、激しい恋愛状態となっていきます。

ただ、この講座ではもうすこし定義の幅を狭めることにしましょう。
この講座で定義する「恋愛状態」とは、その相手があなたと性的交渉を持ちうる相手だけに限ります。また、ネガティブな感情ではなく、ポジティブな感情だけを指すことにします。バッグやアクセサリーと言ったセックスの対象にはならない商品や、憎しみや恐怖といったネガティブな感情は「恋愛状態」の相手には含まれません。

いかがでしょう、おわかりいただけたでしょうか。
最後にもういちど確認しておきましょう。
恋に落ちるとは「恋愛状態」にあることをいい、「恋愛状態」にあるというのは、自分の思考グラフを相手に占領されていることを指します。
この定義はこの講座の基本ですので、しっかり覚えておいてくださいね。

なんで彼女は「モテ」るのか

さて、では次に「モテ」を定義したいと思います。

「モテる」という言葉は日常のなかにしょっちゅうでてくる言葉です。
でもその言葉の意味となるとなんとなく曖昧になっているのではないでしょうか?
異性からやたらと好かれる人、とか、魅力のある人、というイメージは浮かんできやすいですが、それ以上きちんと言葉にするとなると、なかなか説明しづらいものです。
しかしこの講座が「モテる」ための講座である以上、この「モテ」に関してもきちんと理解しておかなければなりません。

「モテる」とは、ひと言で言ってしまうと、次のようになります。

☆モテるとは、本人が好意を持っていない他者から、好意を受けることを言う。

さて、これもすこし難しいでしょうか。
でも具体的に考えると、すぐに想像がつくと思います。

たとえば、あなたが青山さんという人に恋をしているとします。
あなたの頭のなかは青山さんのことでいっぱいで、頭のなかの思考グラフは先ほどのグラフと同じように「青山さん」という名前のついた項目で占領されているとしましょう。

グラフ2

あなたは青山さんに対して恋愛状態にあるのです。

そんなとき、恋しい青山さんからも「きみが好きだ」というアプローチを受けたとします。恋こがれた彼からの告白です、もちろん幸せの絶頂ですし、これ以上嬉しいことはないでしょう。ついにあなたの片想いが実って、これからはひとりの恋愛ではなく、二人の恋愛がはじまっていくのです。

と、このとき、あなたは青山さんからモテている、と思うでしょうか?

おそらくそのようには思いませんよね?
これは恋が実ったと表現するべきであり、青山さんから「モテ」た、とは言いません。もし青山さんからモテたと表現してしまうと、それだけで大事な青山さんの気持ちを軽んじているように思えてしまいます。
なんとなくおわかりになったでしょうか。
自分が恋愛状態にある人から、同じように好きだと想ってもらうことは、「両想い」または「相思相愛」と人は呼びます。モテるとは、たんに異性から好意を受けたりチヤホヤされることをさす言葉ではありません。

もっとわかりやすく言えば、「モテる」とは片想いされることなのです。

あなたの周りにモテている人はいるでしょうか。
もしいればその人を想像してみてください。彼女に好意をよせている人たちに対して、彼女は同じ大きさの好意を相手に感じているでしょうか?
おそらく答えはノーですよね。
モテているひとは、片想いをされているわけであって、決してその相手に対して同じ大きさの恋心を感じているわけではありません。もし同じだけの好意を相手に返していたとしたら、その時点で相思相愛となり、それは「モテ」とは変わってきます。

モテの構図
相思相愛の構図

余談ですが、複数交際というシチュエーションを考えてみましょう。
たとえば同じ瞬間に2人の人と付き合っているひとの思考グラフを想い描いてみてください。

  • 紙の上に、円を3つ描きます。
  • ひとつは女性、ほかの2つは恋人の男性です。
  • 2人の恋人の思考グラフを、恋愛状態にしてください(リストの内容は書きこむ必要はありません)
  • 女性の思考グラフを、2人に対してそれぞれ恋愛状態であるように線を描き加えてください。

描いてみましたか?
果たしてうまく描けたでしょうか?
思考グラフは円グラフなので、それぞれの相手に、それぞれ相手と同じだけの面積の関心を払うことはできませんね。もちろん思考グラフに中心線を一本だけ引いて、50%ずつ相手のことを考えることはできますが、そうすると生活に必要な他の考えごとはできなくなってしまいます。そこに生活に必要な考えごとを加えていくと、必然的に2人の恋人のうちのどちらか、もしくは両方が小さくなっていきます。

つまり、ひとりの相手に注意が行っているときは、もうひとりへの意識は弱まるのです。

このことから、厳密な意味で「複数の異性と恋愛状態にある」ということは起こりえません。たとえ何人も恋人がいたとしても、ほんとうに恋愛状態にある相手は多くともひとりなのです。(あるいは、全員に対して恋愛をしていないかです)

複数交際の構図

もういちど「モテの定義」を確認しておきましょう。
「モテる」とは、相手から片想いをされること。
決して、自分が恋をしている相手から好意を持たれることではありません。

「恋させる」ための大戦略

いよいよ最後の定義です。
ここまでは「恋愛の定義」「モテの定義」を理解してきました。この2つの定義を説明してきたのも、この最後の「戦略の定義」をしっかりと理解するためです。
では最後の定義を見てみましょう。

☆モテるための恋愛戦略は、相手の思考を寡占することを最大の目的とする。

なんとなくイメージはつくでしょうか。
もうすこしかんたんに言い換えれば、モテるための戦略とは「いかに片想いをされるかを目的にした戦略」ということです。
またグラフで見てみましょう。

グラフ3

このように、あなたの名前で占領された思考グラフをもった人が周りにいるとき、あなたはその人からモテていることになります。このようなグラフを持つ人が多くなればなるほど、あなたはよりモテている、と言えるでしょう。

たとえばアイドルなどはモテのプロフェッショナルといっていいかもしれませんね。彼女たちはモテを換金することでビジネスにしています。彼女たちの周りには彼女の名前で思考グラフが占領された人たちが集まります。

と、ここで大事な事実があります。アイドルとファンの関係をよく考えてみましょう。

  • ファンはアイドルに恋している。
  • でもアイドルは、ファンに対しては恋をしていません。

考えてみると当たり前ですね。それがモテるということなのですから。
だからこそモテるためには、次のことが重大になってくるのです。

自分の頭のなかの円グラフには相手の名前を書き込ませない。
そのうえで相手の頭のなかの円グラフに、いかに自分の名前を書き込んでいくか。

おわかりいただけたでしょうか。
モテるための大戦略は、このことを基本原則として組み立てていきます。

あなたの名前を相手の頭の中に書き込む

あえてなんども確認しますが、この講座は「相思相愛」になるための講座ではなく、相手の恋心を獲得して「片想い」してもらうための講座です。

この戦略は、もしかしたらゲームのように聞こえるかもしれませんね。
でも昔から「恋愛ゲーム」という言葉があるとおり、恋愛がある種のゲーム性を含んでいるのも事実です。「恋の駆け引き」という言葉を知っているかたも多くいらっしゃると思います。恋愛は、ゲームの要素を含んでいるのです。
だからこそ、そのルールを知ることが重要になってきます。
誰だってゲームのルールを知らなければ、そのゲームに勝てることはありません。

たとえば、あなたの周りにいるモテる人を思い起こしてみてください。
彼女は恋愛のカードが手元に何枚もあるような恋愛の大富豪です。彼女が勝ちつづけているのは、彼女がこのゲームのルールを熟知しているからです。そしていつ、どこで、どんなカードを切ればいいのかという恋愛技術に長けているのです。

あるいは言い方を変えると、彼女たちはとても強力な油性マジックを持っていると言えるかもしれません。相手の頭のなかの隙間を上手に見つけて、確実に自分の名前を書き込んでいきます。しかもその名前はなかなか消えません。あげくの果てに、自分の頭のなかには相手の名前をなかなか書き込ませないのです。
モテるというのは、つまるところ、そういうことです。
そしてモテるためには、どういうときに名前を書き込めるのかというルールを知っておく必要があります。だからこそ、この講座はモテることを目的としています。

この講座で、あなたがこれから行っていく練習。
それは、相手の頭のなかにあなたの名前を効果的に書き込んでいく方法です。

私は恋愛を軽んじるつもりは一切ありません。
真剣に、相手の気持ちを獲得する方法について論じていきます。
「モテる人間になる」というのは、聞こえは軽いかもしれませんね。
しかしそこで学ぶことは、他では得られない恋愛の基礎知識と、高度な恋愛技術です。

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