恋愛マニュアル
あの人を恋に蹴落とす準備体操

あの人の声を聞きたい。名前を呼んでもらいたい。
手をつないで、冗談を言って、ささいなことでくすくすと笑いあいたい。
あの人の唇に触れ、耳元でささやき、柔らかくて温かい毛布のなかに二人で一緒にもぐりたい。朝までずっと、ずっと、時間を忘れて……。

そのように誰かを恋しく思ったことがあるでしょうか。
まるで夢でも見ているような気持ち。
恋をしているとき、私たちの日常生活はがらりとその姿を変えてしまいます。

誰かに恋をしているとき、学校で、会社で、家庭で、見慣れたはずのいつもの景色が輝きだすことを、私たちは知っています。恋をした私たちの毎日は新しい発見にあふれ、人の優しさ、自分のなかに眠っていた優しさに気がつきます。世界がこんなに愛のあふれた素晴らしいものだったのかと、私たちは驚きを感じずにはいられません。

そしてたとえ嫌なことがあったとしても、あなたが恋をしているときは、そのマイナス分をいっぺんにプラスに変えてしまう魔法の力があなたを守ります。
その魔法の呪文はたったひと言。
恋人からの「好きだよ」という言葉。
それさえあれば生きていける、とどれほど多くの恋愛小説の主人公たちが訴えてきたことでしょう。恋には私たちの世界を、ほんとうに、変えてしまう力があります。

──ではどうやって、人々は恋を手に入れているのだろう。

自分が恋をしていないとき、周りの人たちがどうやってその素敵な恋を手に入れることができたのが不思議になることはないでしょうか。しばらく恋をしていない期間があいてしまい、その期間が長引けば長引くほど、もはや過去にどうやって自分が恋に落ちたのか忘れてしまい、今後いつまた自分が恋を手に入れることができるのか不安になる人もいるでしょう。

自分が新しい恋を手に入れるために、どうしたらいいのか。

その質問に対する答えは、実はあなた以外にだれも知りません。
なぜならあなたの恋は、あなただけのたった1つのオリジナルだからです。あなたの恋はそのあたりに大量生産されては消費されていくような日用品とは違います。あなただけが持つ、たったひとつの、世界でもっとも貴重な宝石なのです。他の人からいくら恋の落ち方を教えてもらっても、それはその人の恋のやりかたであって、残念ながらあなただけが恋に落ちる方法ではないからです。

でも、私たちになにもできないわけではありません。

私たちには、次の恋愛に対する準備ができます。

この講座はあなたの恋愛の筋肉をつよくする、いわば恋愛ドリルです。

恋愛について語る講座やマニュアルは数多くありますが、この講座が他の恋愛マニュアルと大きく違うのは、そこに「実践練習」が含まれてくることです。この講座は、理論→練習→復習という順番で進んでいきます。
あなたはこの講座を読み進めながら、実際に異性を相手に「実践練習」をしていきます。

「恋人がいないのに実践練習?」

そう思われる方も多いでしょう。
しかし、恋人がいないときだからこそできる練習があるのです。
どのようなスポーツでも、試合の前には必ず練習を行います。そうして体の動き方をひとつひとつ覚え、技術を磨き、試合で実力を発揮できるように準備をしておくことを思いだしてください。
この講座を終えたあと、あなたの恋愛の筋肉はつよくなり、恋愛が下手だった人も劇的に恋愛の扱い方が上手くなります。

そしてなによりも、あなたは「モテる人」に生まれ変わっています

講座の内容は、異性から「モテる」ようになることに特化しています。
そう聞くと違和感を感じられるかたもいるもしれません。しかし恋愛の筋肉を鍛え、恋愛の技術を磨くには、実際に自分が「異性に恋をされる」ことがもっとも効率的で、効果的なのです。
講座を読み進め、課題をこなしていくうちに、いつの間にかあなたは自分に向かった矢印たちの中心に立っていることに気がつくでしょう。あなたが異性から恋をされるようになったとき、あなたの恋愛の筋肉もじゅうぶんに温まり、以前よりもはるかにつよくなっています。そしてつぎの恋愛に対してのあなたの準備が整ったことを、自分でも理解していただけると思います。

はじめに言ったとおり、あなたが恋に落ちる方法は誰も教えられません。
しかし、異性の気持ちを惹きつけ、あなたに恋をしてもらう方法は確かに存在します。

この講座を終えて、あなたが周囲の異性から好意を受けるようになった後で、そのうちのひとりに自分からも恋に落ちる場合もあるでしょう。
ただ本講座の目的は、まずあなたを「モテる」人に変えることです。
練習をこなして、恋愛の筋肉をつよくして、次の恋愛に備えることです。
その結果としてあなたが恋を手にいれたとしたら、それはこの講座の力ではなく、やはりあなたが手にしたあなただけの宝石です。

三ヶ月後には、あなたの周囲にはあなたに好意を持った異性がいま以上に増えています。その三ヶ月のうちに、あなたは恋愛とはいったいなにかを知り、そのことでタフになっている自分に気がつくでしょう。
恋愛ドリルをこなしながら、次のまっさらな恋愛、あなたしか手にできないただひとつの恋愛に向かい合えるようお手伝いできればと思います。

 

新海英之

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